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RSI の逆張り(30 / 70)を 6 銘柄・16 年で検証

RSI が 30 を下回ったら買い、70 を上回ったら売る逆張りを 6 銘柄・16 年の 1 時間足で試した。勝率は全銘柄で 60% 台だったが、PF が 1 を超えたのは 3 銘柄で、水準を 25 / 75 や 35 / 65 に変えるとプラスの銘柄が入れ替わった。

RSI が売られすぎの水準まで沈んだのを見て買い、戻りを待つ。小さな勝ちが続いたあと、下げが止まらない局面の 1 回の損失が、それまでの利益をまとめて消していく。逆張りで思い浮かべやすい失敗の形です。

巷での紹介のされ方と検証の条件

RSI が 30 を下回ったら売られすぎとみて買い、70 を上回ったら買われすぎとみて売る。オシレーターを使った逆張りの手法として、こう紹介されます。

AIトレードナビは、この売買を 6 銘柄の過去データで機械的に回しました。条件は次のとおりです。

  • 対象: USD/JPY, EUR/USD, GBP/USD, AUD/JPY, EUR/JPY, XAU/USD(ゴールド)
  • 時間足: 1 時間足
  • 期間: 2010 年 10 月 19 日〜2026 年 10 月 19 日
  • エントリー: RSI(14) が 30 を下回った足の終値で買い、70 を上回った足の終値で売り
  • 決済: RSI が 50 を越えて戻った足の終値で決済(損切り・利確の指定なし)
  • 数量: 1 ロット固定。損益は pips で集計(ロットの大小は勝率・PF・pips に影響しない)。口座残高の制約(証拠金・ロスカット)は考慮しない
  • 約定: エントリーも決済も足の終値
  • 含まないもの: スプレッド・スリッページ・スワップ
  • データ: Dukascopy の 1 分足を集約したもの
  • 注意: 損切りは置いていない。反対のシグナルが出るまで損失が続く
  • 注意: RSI が水準を下回っている間は、決済のたびに再び建玉を持つ
  • 再現: 条件は自然言語バックテストにそのまま書けます。ただし期間はフリーが直近 1 年・プロが直近 3 年までで、口座残高による制約の扱いも違うため、この記事と同じ数字にはなりません

勝率は 60% 台、損益は銘柄で分かれた

6 銘柄の勝率は 60.6〜66.1% で、どれも半分を大きく上回りました。合計 10,219 回のトレードのうち、利益で決済した回のほうが多かったことになります。

通貨ペアトレード数勝率PF合計 pips最大 DD(決済ベース・pips)
USD/JPY174461.5%0.88-4,5976,044
EUR/USD177266.1%1.06+2,0701,570
GBP/USD181166.0%1.09+3,5483,467
AUD/JPY166465.1%1.03+1,0432,559
EUR/JPY169663.3%0.95-2,0264,056
XAU/USD(ゴールド)153260.6%0.85-16,69622,075

それでもプロフィットファクター(PF)が 1 を超えたのは、EUR/USD・GBP/USD・AUD/JPY の 3 銘柄でした。合計 pips がプラスだったのも同じ 3 つです。最も PF が高かった GBP/USD で 1.09、1 回あたりの平均は 2.0 pips という結果でした。

USD/JPY は勝率 61.5% に対して PF 0.88、合計 -4,597 pips。勝った回数が多くても、負けた回の損失の合計が利益の合計を上回っています。

ゴールド(XAU/USD)は PF 0.85 で 6 銘柄の中で最も低く、合計 -16,696 pips、最大ドローダウンは 22,075 pips でした。ゴールドの pips は FX ペアより桁が大きいので、銘柄をまたいだ pips の合計は出していません。

RSI の逆張り(30 以下で買い・70 以上で売り)の損益曲線(1 時間足・2010 年 10 月 19 日〜2026 年 10 月 19 日・1 ロット固定の累積 pips・過去データのシミュレーション)
RSI の逆張り(30 以下で買い・70 以上で売り)の損益曲線(1 時間足・2010 年 10 月 19 日〜2026 年 10 月 19 日・1 ロット固定の累積 pips・過去データのシミュレーション)

期間を割ったとき、水準を動かしたとき

期間を前半と後半に分けると(境は 2018 年 10 月)、2 銘柄で合計 pips の符号が入れ替わりました。AUD/JPY は前半 +1,150 pips(PF 1.06)から後半 -107 pips(PF 0.99)へ。EUR/JPY は逆に、前半 -2,445 pips(PF 0.90)から後半 +419 pips(PF 1.02)へ動いています。GBP/USD は前半 1.04、後半 1.16 で、どちらの期間もプラスでした。

通貨ペア前半(〜2018 年 10 月)前半 PF後半(2018 年 10 月〜)後半 PF
USD/JPY-1,734 pips(978 回)0.89-2,864 pips(766 回)0.86
EUR/USD+925 pips(1015 回)1.04+1,145 pips(757 回)1.10
GBP/USD+1,000 pips(1028 回)1.04+2,548 pips(783 回)1.16
AUD/JPY+1,150 pips(928 回)1.06-107 pips(736 回)0.99
EUR/JPY-2,445 pips(943 回)0.90+419 pips(753 回)1.02
XAU/USD(ゴールド)-5,526 pips(792 回)0.85-11,170 pips(740 回)0.85

各値は四捨五入しているため、前半と後半の和が合計と 1 pips ずれることがあります。

買いと売りの水準を、外側の 25 / 75 と内側の 35 / 65 に変えた結果も比べました。トレード数は 25 / 75 で 5,944 回、35 / 65 で 15,597 回になり、合計 pips がプラスの銘柄はどちらも 6 つ中 2 つでした。

顔ぶれは同じではありません。25 / 75 では GBP/USD と AUD/JPY、35 / 65 では EUR/USD と GBP/USD がプラスで、EUR/USD は 25 / 75 で -727 pips、AUD/JPY は 35 / 65 で -1,412 pips に転じました。3 つの設定すべてでプラスだったのは GBP/USD だけです。

設定USD/JPYEUR/USDGBP/USDAUD/JPYEUR/JPYXAU/USD(ゴールド)プラスの銘柄
25 / 75-2,328(1051 回)-727(994 回)+1,686(1037 回)+2,379(977 回)-1,474(991 回)-6,779(894 回)2 / 6
30 / 70(基本)-4,597(1744 回)+2,070(1772 回)+3,548(1811 回)+1,043(1664 回)-2,026(1696 回)-16,696(1532 回)3 / 6
35 / 65-8,096(2595 回)+2,102(2717 回)+2,495(2754 回)-1,412(2620 回)-3,983(2607 回)-22,875(2304 回)2 / 6

水準を 5 ずらしただけでプラスの銘柄が入れ替わったので、基準の 30 / 70 で出たプラスは、その水準の選び方に左右されていました。条件を合わせ込みすぎた結果の見分け方は「カーブフィッティング(過剰最適化)を避けるには」で扱っています。

数字に入っていないもの

この結果は、次の前提の上で計算しました。

  • スプレッド・スリッページ・スワップは含めていない。実際の口座ではこの分だけ成績が悪くなる
  • 1 ロット固定の pips で集計し、証拠金やロスカットなど口座残高の制約は考慮していない
  • 最大ドローダウンと損益曲線は決済した時点の累積で、保有中の含み損は入っていない
  • 損切りは置いておらず、反対のシグナルが出るまで損失が続く

件数は 1 銘柄あたり 1,532〜1,811 回、期間は 16 年分です。条件は RSI の水準だけで、水準を下回っている間は決済のたびに建玉を持ち直す単純な形にしてあります。水準や決済の条件を変えるなら、自然言語バックテストで日本語で条件を書き、DSL(条件の形式)を確かめれば同じ条件で回せます。

RSI を裁量の判断材料のひとつとして見ている場合、ここでの数字はそのまま当てはまりません。水準に触れた足で機械的に入って出た場合の成績で、ほかの根拠と組み合わせた判断は試していないためです。

本記事は一般的な検証方法の解説、または過去データでの検証結果の報告であり、特定の手法や相場観を推奨するものではありません。バックテストは過去データによるシミュレーションであり、将来の成果を保証するものではありません。詳しくは免責事項・リスク開示をご覧ください。